BANANASTAR.JP



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MINNIE
・第31回ぴあフィルムフェスティバル出品。
youtube.comで見る。


出演:伊澤恵美子 橘高佑奈 菜葉菜 今井康裕
エグゼクティブ・プロデューサー:吉村和夫 プロデューサー:中村梨香
撮影・照明:岩崎正矩 録音:白石太志 音楽:Dr.Emmett Brown
撮影協力:純喫茶アラスカ ポストプロダクション:東金町プラネット
スペシャル・サンクス:ティーアーティスト、任天堂、apple、Panasonic、白石龍太
監督・脚本・編集・原案:芳賀大輔+白石太志 (C)Bananastar


映画の神様は、このトンデモネエ映画を許してくれるのか?
映像レーベルBananastarは、これまで即興芝居で構成した映画を生み出してきた。密封された車内のシチュエーションによる決して動き出さないロードムービー『約束』(2005年)。ロックバンドの練習スタジオで起こる”ほとんどドキュメンタリー”な会話劇『GIRLS BAND HUSBAND』(2006年)。その映画のパラレルワールド的側面を持つ同名作品『GIRLS BAND HUSBAND』(2006年)。そして、それ以降の短編映画でも「即興」という演出は、Bananastarが好んで採用してきた制作方法だった。
本作『MINNIE』は、そんな自ら作り出してきた作品をオマージュするかのような、集大成的なものを目指して企画がスタートした。しかし、編集され完成した作品は、その意図に相反して、まったく新しい映画になっていた。それは、ヌーベルバーグ、アメリカンニューシネマ、或いはアートシアターギルドといった前衛的な映画作品を彷彿とさせる実験性を持ちつつ、圧倒的にオリジナルなシロモノ。もしも、映画の神様なる存在があるのだとしたら、「ゆるしてはくれない」であろうトンデモネエ映画だった。それが本作『MINNIE』である。

キャストは、2006年『GIRLS BAND HUSBAND』以来のインターネット募集により決定した三名の女性だ。Bananastarのこれまでオーディションは、監督二名のインスピレーションで、スムーズに行えてきた作業だったが、今回は違った。本作の難しいテーマを、Bananastar側の意図を理解してもらいつつ、即興的な言い回し・センス・間で芝居を構成させることの出来る役者さんを、小一時間の会話だけで見出すというのはひどく困難な作業だった。
そもそも、即興芝居を演出するという事は、要するに、どれだけキャストに信頼を持つことが出来るかである。長回しの本番が始まってしまえば、監督はもうどうすることも出来ない。1カット1カットが長時間であるため、テイクを重ねるにも限りがある。その限りある”瞬間”を、信頼のおけない役者に任せることは出来ない。
オーディションを行った役者さんたちのあらゆる組み合わせをシミュレートし、「誰が、信頼できるのか」或いは「誰が、信頼できないのか」というポイントに重きを置いて、ひたすらに考える。といっても、これが机上の空論であることは言うに及ばない。小一時間の面接ごときで「誰が信頼できるか」なんて分かってしまえるのは、神様か占い師くらいのものである。もっとも後者の場合は、100パーセント嘘ではあるが…。そして、その机上の空論ほど、あてにならないものもない。
モノを作るという表現には、何か特殊なエネルギーのようなものがある。その最終的な矛先が、例え、劇場のスクリーンでも、iPodの中でも、真っ白いキャンパスであっても、関係ない。その特殊なエネルギーめいたものによって、机上の空論が思わぬ方向に、何かに導かれるように、進んでいくことがあるのだ。自分の持っている能力以上の表現が出来る場合があったり、その逆の場合もある。要するに、どうなるかなんていうのは、その瞬間になってみないと分からないということで、いくら考えたところで本当の意味での”答え”は出ないのだ。
ようやく決定した、伊澤恵美子、橘高佑奈、菜葉菜という三名の役者さんたちが、このプリプロダクション段階での、Bananastarなりの「回答」だ。その「採点」を下すのは、監督でもキャストでもなく、この映画を観賞する第三者のみなさん以外のナニモノでもない。

2008年現在、あらゆるメディアの「表現」は、いよいよ危ない方向に向かっている。
お世辞にもオリジナリティがあるとは言えない、もはや原作つきが当たり前となってしまった劇場映画。どのチャンネルを回しても、もはや作業的にクイズ番組を垂れ流し続けているテレビ。ケータイやお笑い芸人から”発信された”という、もはや話題性だけがモノを言ってしまっている小説。メディアにおける「表現」というものが、まるで金太郎飴のように、どこを切り落としても同じようなアイデアしかカオを出さなくなってしまったような気がする。表現する側も、それを受け取る側も、一種の飽和状態と化しているような。そんな”現状”だからこそ、インディペンデントという自由で独創的なトンデモネエ発想が、何らかの起爆剤になるのではなかろうか。本作『MINNIE』は、その”現状”に対するアンチテーゼとして、既成のあらゆる表現を挑発する。例えそれが、些か強引なカタチだとしても。

テキスト=吉村和夫 Text by KAZUO YOSHIMURA


周囲からレズビアンと疑われるほど仲の良いミア、マイ、キョンの三人。
或る日の喫茶店。マイが来るのを待っているミアとキョン。
めずらしく二人だけの時間を過ごしていると、ミアがカミングアウト。
「私、レズかもしんないんだけど」
戸惑うキョン。もうすぐマイもやって来る。

ノーマルとは何か?愛とは何か?仲間とは何か?
食欲とは何か?セックスとは何か?
やさしさとは何か?心とは何か?
人間とはナニモノなのか?
(本編撮影前のプロットより)


伊澤恵美子(ミア 役)
静岡県出身。O型。小3で初舞台に立ち、静岡でミュージカルや舞台を勉強し大学進学で、上京。現在は自主映画や、PV、CF、MC、ラジオ等を中心に活動中。好きなものはお寿司と猫。
橘高祐奈(マイ 役)
マイ役。自主制作を中心に映画・演劇に参加している。太宰治の「純粋を追うて、窒息するよりは、私は濁つても大きくなりたいのである。」の言葉をモチーフにした芝居で本作ではマイ役を好演した。
菜葉菜(キョン 役)
初主演映画「YUMENO」で強烈な個性を発揮し注目を集める。その後、映画を中心にその個性溢れるキャラクターと演技で存在感を示してきた。主な作品に、「夢の中へ」「鋼」「地球でたったふたり」などがある。インディーズからメジャー映画まで幅広く活躍の場を拡げ、映画界にとって貴重な存在になりつつある。
今井康裕(喫茶アラスカ店員 役)
数々の自主映画出演を経て、現在は芸能事務所に所属しプロの現場で活躍。
映画、ドラマ、PV、Vシネマ、CMなど幅広いジャンルで活躍する。活動振りをプロの現場に移してもBananastarの作品となれば一目散に駆け付けるBananastarと繋がり深い俳優。